モース『大森貝塚』

岩波文庫

第一印象、まだこんな本を売っている!
岩波文庫のコーナーに行くと、昔からあった。ただ、絶対に買わないという部類の本だった。
理由は、古臭い感じがするからだ。
教科書に載っていて、モースも貝塚も言葉としては、知っている。だけど、弥生時代か何か知らないが、貝を食べたあとの堆積物である。別の言い方をすれば、ゴミ捨て場である。
「大森弥生ゴミ処理場」なのである。
何が書いてあるか確かめもせず、背表紙を見るにとどまっていた。
もし、これを、高校の時に読んでいたとしたら、ぼくは、きっと動物学者になる夢を諦めたりは、しなかっただろうと思うのである。
大森弥生ゴミ処理場を発見したモースは、弥生時代の遺跡を探そうとしてた、考古学者ではなく、じつは、古代貝の化石を探すために日本に来た古生物学者だったのだ!